高炉は、外部を鋼板製の鉄皮で覆い、内部を耐火物で内張りした竪型円筒状の構造物である。鉄皮と耐火物の間には、ステーブと呼ばれる水冷金物を埋設して冷却する。炉体は、上部から下方にかけて下広がりになったシャフト部、直胴状のベリー部、さらにその下に、上広がりのボッシュ部、そして最下部の炉床部から成る。シャフト部とベリー・ボッシュ部はシャモットれんがや炭化珪素質れんがで、炉床部はカーボンれんがで内張りするのが普通である。炉床の側壁部には、熱風炉、熱風管、熱風環状管を経由してきた熱風を炉内に吹き込む水冷銅製の羽口が高炉の大きさによって、20から40本、放射状に取り付けてある。溶銑や溶滓を取り出す出銑口や出滓口もここに設けてある。現在最大級の高炉は、全高約80メートル、炉体の高さ約35メートル、最大内径約16メートル、内容積約5,200立方メートルであり、一日に溶銑約1万トンを製造できる。

高炉本体のほかに主な付帯設備として、炉頂へ鉄鉱石やコークスなどの原料を運び上げるベルトコンベアー、搬送された原料を一時貯蔵するホッパー、その原料を炉内の径方向に適正な分布で装入するベル式またはベルレス式の装入装置、熱風をつくり送風する熱風炉や送風機、および炉頂からのガスを除塵・回収・貯蔵する装置、さらに羽口から微粉炭吹き込み(PCI-Pulverized Coal Injection)を行う高炉では、石炭を粉砕、圧送する設備などがある。ベル式装入装置は、下広がり円錐形状の小ベルを下に移動して出来る隙間を通して原料を炉に入れ、このベルを閉じてから大ベル(下広がり)を開けてシャフトの下方に原料を落下させる。ベルレス式では、旋回式シュートを回転させながら、シュートに沿って原料を落下させて装入する。熱風炉は、内部に珪石レンガを格子状に組んだ蓄熱室を持つ直径12メートル、高さ55メートル程度の円筒状の炉であり、燃料ガスを燃焼させて得た熱を蓄熱室に貯えたのち、燃焼を止めて空気を送ることにより高温の空気を得る一種の熱交換器である。高炉へ熱風を絶え間なく供給するために、2本以上の熱風炉を交互に操業している。

高炉は250キロパスカル程度の炉頂圧で操業するのが普通である。大量の高圧排ガスが持つエネルギーを回収するため、除塵後、貯蔵用のガスホルダーとの差圧で発電を行う炉頂圧発電設備(TRT)を備えている。