図は、建築家ノーマン・フォスター卿(Sir Norman Foster)によって設計された未来の建築物の外観である。ビル本体の高さ600メートル、先端の電波塔まで含めると800メートルである。高度なインテリジェントオフィス施設、居住施設のほか、ショッピングセンター、文化・スポーツ施設など都市に必要なほとんどすべての施設を備え、就業人口1万7千人、居住人口2千人が前提となっている。

150階の本体部分は、30階ごとにスカイセンターと呼ぶパブリックスペースで区分され、全体で5つのブロックで構成されている。そしてこれらスカイセンター間を、160人乗りの超高速リニアモーター・エレベーターが連絡している。

外周部には合計12本のらせん状の部材をネット状に配置し、地震や強風に十分耐える構造であり、制振システムによって建物全体の揺れを制御できるようになっている。この建築物の工期は10年、工費は1兆6千億円といわれている。このような大きな建築物は、高強度鋼材の利用によってはじめて可能となる。