鋼管は、製造法によって、熱間圧延または熱間押し出しによってつくるシームレス鋼管と、板状素材を曲げ加工ののち接合してつくる溶接・鍛接鋼管とに大別される。

シームレス鋼管は圧延により製造されるが、この方法では、圧延中に材料が穿孔され、大量生産に適している。図には、そのうちの代表的なもののひとつであるマンネスマン-プラグミル法の製造工程を示している。マンネスマン穿孔機では、互いにななめに傾斜したロールで材料を圧下する。丸ビレットを直径方向に圧縮しながら回転させると、ビレットの中心部に容易に孔があくというマンネスマン効果によってビレットが穿孔される。穿孔された材料は、エロンゲーターで拡管したのち、プラグミルで薄く、長く伸ばし、リーラーで内外表面を滑らかにし、サイザーで寸法の最終調整を行う。

熱間押し出し法は、圧縮応力場での加工であるため、変形能の低い高合金鋼の造管が可能であること、厚肉大径鋼管が製造可能であること、などが特徴である。

シームレス鋼管は、周方向の均質性がすぐれているので、内圧やねじれに強く、この長所を生かして、石油や天然ガスの掘削用や汲み上げ用に主として用いられる。

溶接鋼管は、成形法や接合法によって、電縫鋼管、スパイラル鋼管、UO鋼管などに分かれる。電縫鋼管や鍛接鋼管は、熱延コイルを素材にして、成形ロールで連続的に管状に成形する。電縫鋼管は、冷間で成形し、シーム部は電気抵抗溶接で接合する。この鋼管は、石油、ガスなどを輸送するラインパイプに多く用いられる。鍛接鋼管は素材全体を加熱したあと、熱間で成形し、シーム部は鍛接で接合する。この鋼管は溶融亜鉛めっきを行ったあと、水道管やガス管として用いられる。

電縫鋼管や鍛接鋼管の外径が素材のコイル幅で決まるのに対し、スパイラル鋼管は、図に示すように、コイルをスパイラル状に成形してつくるので、素材の幅とは独立に、外径の大きい鋼管がつくれる。UO鋼管は一般に厚肉大径であり、厚板を素材として、まずU形にプレス加工し、ついでO形にプレスして、1本ずつ成形される。

スパイラル鋼管やUO鋼管では、比較的厚い素材を用いるため、溶接にはサブマージドアーク溶接が用いられる。スパイラル鋼管の用途は鋼管杭が多く、UO鋼管は前述のように石油や天然ガスを大量に長距離輸送するラインパイプ用に主に使用する。